院長先生のブログ
新型コロナ2価ワクチンのブースターは重症化リスクが高い群の入院・死亡を接種120日まで抑制する
昨日は70日で、今日は120日です(笑)。昨日論文を読んでいて、どこまでの日数リスクを低減させることが出来るのか興味があったものでw
COVID-19の2価mRNAワクチンブースター接種の入院と死亡抑制効果を検討した論文(Lancet Infect Dis. April 13, 2023(doi.org/10.1016/S1473-3099(23)00122-6))を紹介します。
対象は2022年9月~2023年1月の間の65歳以上の56万9519人で、うち13万4215人(24%)が新型コロナ2価mRNAワクチンブースター接種を受けています。
結果のみ示しますが、接種後120日まで、COVID-19による入院は接種群32名と非接種群541名発生しました(調整ハザード比0.28、2価mRNAワクチンブースター接種は入院を72%抑制することが判明)。入院の絶対リスク低減率は0.089%で、入院1件を防ぐために接種が必要な人数は1118人でした。
以上から、(120日までの評価なので、より長期間の評価を要しますが)重症化リスクが高い集団における新型コロナ2価mRNAワクチンのブースター接種の重要性が確認されました。
今のところ、重症化予防効果の持続期間は120日(4ヶ月)までしか証明されていないので、高齢者や基礎疾患があるハイリスク群に該当する人は、6ヶ月程度を目安に接種したほうがおそらく良いのでしょうね。 (小児科 土谷)