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見附市小児科 2023年春開院 みつけこどもクリニック | 小児科一般診療・予防接種・乳児健診 見附市

精神的ストレス下で心筋虚血が誘発されることがある

春は学会シーズンです。職業柄、大小さまざまな学会や研究会に出席することがありますが、発表後の質疑応答で、「無茶ぶり」質問や大人げないコメントをして演者や座長の先生方を困らせている人を時々みかけて残念に思うことがあります。

 

今日はそんな場面に関連した論文(Psychosom Med. 2014 Apr; 76(3): 171–180.)です。

心筋梗塞の既往がある若い女性において、精神的ストレス誘発性心筋虚血(MSIMI)は男性よりも多いのかどうかを検討しています。

方法:38~60歳の心筋梗塞後患者98名(女性49名、男性49名)を対象とし、年齢、心筋梗塞のタイプ、心筋梗塞からの月数をマッチさせています。安静時/精神的ストレス後、運動/薬物ストレス後に[99mTc]セスタミビ心筋シンチを実施し、ストレスと安静時の灌流障害スコアの差であるsummed difference score(SDS)を、両ストレス条件下で虚血を定量化するために使用しました。

結果:50歳以下の女性は、年齢をマッチさせた男性と比較して、50歳以下の女性は精神的ストレスによるSDSが高く(3.1対1.5、p=0.029)、精神的ストレス誘発性心筋虚血(SDS≧3)の割合が52%対25%と2倍になりましたが、身体的ストレスによる虚血は差が出ませんでした(36%対25%)。高齢者では性差はありませんでした(若い女性における精神的ストレス誘発性心筋虚血の高い有病率は、社会人口統計学的およびライフスタイル要因、CAD重症度、うつ病で調整しても同様)。

 

要するに、冠動脈疾患(狭心症)の人が運動をしても虚血に陥らない(心臓に負担がかからない)程度の病状であっても、人前でのスピーチするみたいな精神的ストレス下では、虚血に陥る(心臓に負担がかかる)ということで、この傾向は50歳以下の若い女性に多く認められるとのことでした。

 

別の論文(Ann Intern Med. 1970;72(2):255-256.)では、人前でプレゼンテーションをした10人の役人の心拍数を測定したところ、平均でベースラインの心拍数73/分が、154/分まで上昇したとのことでした。心拍数が一気に2倍以上に増加するわけですから、心臓への負荷はかなり大きなものになっていることは容易に想像がつきます。精神的ストレス、恐るべし!

 

個人、発表の状況等により相違はあると思いますが、スピーチする人も頑張っている訳ですから、少しでもストレスを減らしてあげる気遣い・配慮が必要だと思います。 (小児科 土谷)

 

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