メニュー

   

お電話

見附市小児科 2023年春開院 みつけこどもクリニック | 小児科一般診療・予防接種・乳児健診 見附市

風邪の回数を減らすには?

外来で保護者の方々からの相談で多いものの一つが、風邪を引く回数を減らすにはどうしたら良いでしょうか?というものがあります。たかが「風邪」とはいえ、頻繁に罹患すれば、子どもや家族の方々の負担になることは間違いありません。

 

そして、この命題は一般小児科外来の永遠のテーマみたいなもので、相談を受ける我々小児科医もしばしば頭を抱えてしまいます。そこで、今日はEur J Pediatr(Eur J Pediatr. 2017 Oct;176(10):1375-1383.)からある論文を紹介します。2017年の論文なので、読んだことがある方は読み飛ばして下さいね。

 

この論文は小児の呼吸器感染症に関する保護者への健康教育効果と上気道感染症の小児における鼻咽頭クリアランス手順の有効性を比較しています。保育所に通う3歳児までの138人を対象に要因研究を実施。子どもたちを対照群(CG;n=18)、教育群(EG;n=34)、介入群(IG;n=35)、教育及び介入群(E+IG;n=31)の4群に分け、風邪に伴うイベントを比較しています(保護者が1か月間日誌を記載)。

その結果、群間で有意差が認められており、
下気道呼吸器感染症 (CG = 29.4%; EG = 10.7%; IG = 3.8%; E + IG = 0.0%; p = 0.014)
急性中耳炎(CG = 32.4%; EG = 7.1%; IG = 11.5%; E + IG = 7.7%; p = 0.014)
医療機関への受診(CG = 70.6%; EG = 42.9%; IG = 38.5%; E + IG = 30.8%; p = 0.021);
抗生物質の使用(CG = 44.1%; EG = 7.1%; IG = 23.1%; E + IG = 15.4%; p = 0.006)
保育所の欠席日数(CG = 55 days; EG = 22 days; IG = 14 days; E + IG = 6 days; p = 0.020)
就労不能日数 (CG = 31 days; EG = 20 days; IG = 5 days; E + IG = 1 day; p = 0.021)
鼻腔洗浄技術(CG = 41.4%; EG = 78.6%; IG = 57.7%; E + IG = 84.6%; p = 0.011)
という結果で、保護者への小児の呼吸器感染症への健康教育と鼻腔洗浄技術(いわゆる鼻洗浄)を組み合わせると、アウトカムに最もよい影響を与えることが分かりました。

 

ここまで効果があるのなら、鼻洗浄も一考の価値があるホームケアなのかなっと思います。子どもは間違いなく嫌がるので、なかなか継続は難しいと思いますがw (小児科 土谷)

この記事をシェアする