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見附市小児科 2023年春開院 みつけこどもクリニック | 小児科一般診療・予防接種・乳児健診 見附市

新型コロナで子どもは重症化しないのは本当ですか?

本日の論文はJAMA Netw Open(JAMA Netw Open. 2023 Jan 3;6(1):e2253590. doi: 10.1001/jamanetworkopen.2022.53590.)からです。


米国での2021年8月~2022年7月までの統計データです。左図は0-19才の子どもの新型コロナによる死亡割合(人口10万人当たりの死者数)を示します。1歳以下の子どもの死亡が目立ちます。右図は2020年4月~2022年7月までの0-19才児の毎月の新型コロナ死亡者数を示しています。オミクロン株の流行が始まって以降、死者数が増えたことが分かります。

このほか、この論文では2021年8月1日~2022年7月31日におけるCOVID-19の死亡率は、米国における0~19歳の10大死因のうち、全死因の8位、疾患関連死因の5位、感染症または呼吸器疾患による死亡の1位で、COVID-19による死亡はこの年齢層の全死因の2%を占めたと記載されており、COVID-19が小児および若年層の主要な死因であったことが分かります。

故に、「子どもは新型コロナで重症化しない」のではなく、「子どもでも新型コロナで重症化する人が一定数存在する」が正解。

 

この論文では、「過少報告や他疾患による死亡原因の一因としてのCOVID-19の役割を考慮しないなど、さまざまな要因があるため、これらの推定値はCOVID-19の真の死亡負担を控えめにしている可能性がある」としており、今後もSARS-CoV-2の流行を繰り返すと考えられる現在の状況では、流行状況に応じて適切な介入(ワクチン、換気、空気清浄等)を継続していくことが、小児・若年患者の重症化を軽減する上で重要な役割を果たすと思われます。

 

5類に変更されて以降、これまで行ってきた感染対策が徐々に緩和されていますが、今後も小児や若年層でも重症化する人は必ず一定数発生してしまうこと、高齢者や基礎疾患を有するハイリスク患者も社会の一員であることから、最低限の感染対策は、無理のない範囲で、今後も継続していって欲しいと思います。 (小児科 土谷)

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