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見附市小児科 2023年春開院 みつけこどもクリニック | 小児科一般診療・予防接種・乳児健診 見附市

スキンケア用の保湿剤はしっかり塗りましょう

日常診療では、アトピー性皮膚炎のお子さんが定期受診されることも多いです。

アトピー性皮膚炎の治療では、ステロイド外用薬が治療の柱のひとつとなりますが、今日はそれに関して、「保湿剤を使用するとステロイド外用薬の量は減らせるのか?」についての論文をざっくり紹介します(Dermatology. 2007;214(1):61-7. doi: 10.1159/000096915.)。寝坊してゆっくり読んでいる時間が無かったので、飛ばし気味ですいません。

 

中/高力価のステロイド外用薬を用いて治療を受けた生後12か月未満の乳児173名を、皮膚保湿剤使用群と非使用群(対照)にランダムに分けて、6週間治療しました。そして、day0,day21,day42に、チューブ重量測定によるステロイド薬使用量の評価、SCORADによる疾患重症度、Infant’s Dermatitis Quality of Life IndexとDermatitis Family Impact scoreを用いた乳児と両親の生活の質を評価しています。

その結果、SCORAD score、生活の質は、両群とも有意に改善されていました(p<0.0001)。そして、ステロイド外用の使用量は皮膚保湿剤群で有意に減少していました(7.5% vs 42%, p<0.05)。

これらの結果から、中等症以上の乳児アトピー性皮膚炎に対して保湿剤を使用するとステロイド外用薬の使用量を有意に減らすことが出来ることが分かりました。

 

ステロイド薬を減らしたいと思っているのは、ステロイド恐怖症(steroid phobia)の方だけでなく、たぶん保護者全員、そしてお医者さん自身も「出来る限り減らしたい」と思ってます。そのために、きちんとスキンケアをしましょうね。 (小児科 土谷)

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