院長先生のブログ
新型コロナ感染後、各種自己免疫疾患の発症リスクが高くなる

世界最大の医療健康データベースTriNetX USを使ったトロスペクティブ・コホート研究です(EClinicalMedicine. 2023 Feb;56:101783.)。
2020年1月1日~2021年12月31日までにこのデータベースに3,814,479人の参加者が研究にエントリーしており、内訳は感染者:888,463人、コントロール:2,926,016人でした。その結果、新型コロナ感染者では発症後6か月間の時点で、非感染者に比べて、種々の自己免疫疾患を発症するリスクがかなり高いことが判明しました。
関節リウマチ(aHR:2.98、95% CI:2.78-3.20)
強直性脊椎炎(aHR:3.21、95% CI:2.50-4.13)
全身性エリテマトーデス(aHR:2. 99、95% CI:2.68-3.34)
皮膚/多発性筋炎(aHR:1.96、95% CI:1.47-2.61 )
全身性硬化症(aHR:2.58、95% CI:2.02-3.28 )
シェーグレン症候群(aHR:2.62、95% CI:2.29-3.00 )
ベーチェット病(aHR:2.32、95% CI:1.38-3.89)
炎症性腸疾患(aHR:1.78, 95%CI:1.72-1.84)
1型糖尿病(aHR:2.68, 95%CI:2.51-2.85)
この傾向は男女に関わらず、また、どの年齢層でもよく類似していました。原因は不明ですが、新型コロナウイルス感染が多くの人に免疫異常をもたらすものと推察されます。
疾患について知れば知るほど、罹患したくない感染症のひとつがCOVID-19です。
自分も中年おじさんなので、罹患しないように気を付けますw (小児科 土谷)