院長先生のブログ
新型コロナ・二価ワクチン接種の効果
アメリカからの報告です(JAMA Netw Open. 2023;6(5):e2313586.doi:10.1001/jamanetworkopen.2023.13586)。
アメリカの異なる年齢の子どもたちにおいて、2022年10月1日~2023年3月31日までの期間でワクチン接種者、非接種者の間で新型コロナウイルスに感染した人、入院した人の数を比較して新型コロナ・二価ワクチン接種の効果を算出しています。
0~17才の年代で、例年のインフルエンザワクチン接種と同じ割合の人が新型コロナワクチン接種をしていたとしたと仮定すると、10,019人の新型コロナ入院者と2,645人の重症患者(=ICU治療を要した人)を防ぐことができたはず、と試算しています。
裏を返すと、アメリカではオミクロン株感染により、わずか半年間で万単位の数の子どもたちが入院をし、数千人の重症者が出たということです(多くはワクチン未接種者)。
この結果は、子どもたちへの新型コロナ二価ワクチン接種により、多くの子どもたちがCOVID-19による重症化から救われることを示しています。
重篤な副反応に悩まされるのも問題ですが、罹患して入院・重症化するのも困りものです。
子どもたちへのワクチン接種こそ、ベネフィットとリスクをしっかり考え、接種の是非を正しく判断することが大事です。 (小児科 土谷)