院長先生のブログ
ChatGPTに負けたくない
最近、巷で話題のChatGPTに関する論文です(JAMA Intern Med. Published online April 28, 2023. doi:10.1001/jamainternmed.2023.1838)。
「ChatGPTは患者の質問に対して質の高い共感的な回答を提供できるのか」
概要:ソーシャルメディア(Reddit/AskDocs)に寄せられた患者からの質問を195個選び、それらの質問に対する回答を医師とChatGPTで比較しています。
結果:回答ごとに3通りの評価が行われ、195✕3個の評価のうち78.6%が医師よりChatGPTの回答を選んでいました。そして、ChatGPTの回答は有意に長く(211語対52語,P < 0.001)、かつ高品質でした(P < .001)。
*「良い」または「非常に良い」と評価された回答の割合はChatGPTの方が3.6倍多く(78.5%対22.1%)、有意に共感的で(P < .001)、「共感的」または「非常に共感的」と評価された回答の割合は9.8倍でした(45.1%対4.6%)。
ChatGPT(AI)の是非(いろいろありますが・・)は別として、なかなか衝撃的な内容!(興味の沸いた方は無料で読めるので検索してみて下さい)
いつでも、ムラなし、疲れ無しのAI は、一種のテクニックである「共感」ですら演じてしまうことに驚きです。患者の気持ちに共感する、という一番人間的な部分で、医師がAIに負けてしまうというのは、なんとも皮肉なもので、自分も深く反省させられました。共感は「学習して向上させられるスキル」なので、ChatGPTに負けないようにしないと!と思わされました。 (小児科 土谷)