メニュー

   

お電話

見附市小児科 2023年春開院 みつけこどもクリニック | 小児科一般診療・予防接種・乳児健診 見附市

long COVIDに対する経口糖尿病治療薬メトホルミンの予防効果

long COVIDに対する予防効果が報告されているものに、新型コロナワクチン接種がありますが、その他に「意外なもの」が有効かもしれないという論文(Preprint with the Lancet. https://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=4375620)です。プレプリント論文なので、今後の動向が注目されます。

 

メトホルミン、イベルメクチン、フルボキサミンの3剤のいずれかがlong COVIDを予防できるかを検討しています(米国)。2×3並行群間ランダム化試験で、偽薬対照を効率的に共有しています。この試験の特徴として、対象を30~85歳の肥満を認める患者としている(中央値45歳,女性56%)ことです。

参加者1323人のうち、8.4%がlong COVIDと診断されました。イベルメクチン(ハザード比0.99)、フルボキサミン(1.36)は無効でしたが、メトホルミンは有効性が認められ、ハザード比0.58でした(P=0.009)。メトホルミンは偽薬と比較して、long COVID発症率が42%相対減少し、10.6%から6.3%への4.3%の絶対減少を示しました。メトホルミンの効果は、ウイルス変異株を含むサブグループ間で一貫しており、症状発現から4日以内に開始されると、ハザード比は0.37まで向上しました。2週間のメトホルミン投与による副作用のリスクはほぼなく、コストも安かった。

以上から、経口糖尿病治療薬のひとつであるメトホルミンはlong COVIDの予防において重要な薬剤となる可能性があることがわかりました。

プレプリント論文なので、この結果をこのまま鵜吞みにすることは出来ませんが、メトホルミンは副作用も少なく、安価であるため、本当にこのような効果があるとすれば有難いですね。 (小児科 土谷)

この記事をシェアする