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見附市小児科 2023年春開院 みつけこどもクリニック | 小児科一般診療・予防接種・乳児健診 見附市

子どもの窒息が疑われた場合の応急処置

今日は昨日の続きです。子どもが窒息をおこした場合の対応について説明します。

子どもに限らず、窒息の場合は直ちに処置が必要です。窒息して呼吸が止まっただけの状態であれば蘇生率は50%を超えますが、心停止に至ってしまった場合の蘇生率は非常に低くなるため、心停止に陥る前に、適切な方法で詰まった食べ物を除去する必要があります。窒息状態を悪化させる可能性があるため、口の中に指を入れて盲目的に取り出そうとしてはいけません!

 

小児の気道異物への対応

1歳以上の小児の気道異物への対応は原則として成人と同じです。声が出せるか、強い咳嗽をしている場合はそれを続けるように促します。

声が出ないか、強い咳嗽が出来ない場合(あるいは初め咳をしていても途中から出来なくなった場合)は背部叩打法、腹部突き上げ法(ハイムリック法)、又は胸部突き上げ法を繰り返し行います。乳児は相対的に肝臓が大きいため、腹部突き上げ法を行うと肝損傷を引き起こす可能性があります。このため、乳児には腹部突き上げ法を実施してはいけません。

小児に腹部突き上げ法を行う場合、方法は成人と同じですが、救助者と傷病者である小児との間で体格差が大きい場合は片膝をついて調整すると良いでしょう。

 

乳児の気道異物への対応

乳児の場合は、乳児を腹臥位にして救助者の前腕で傷病者の体幹を、指先で下顎を支え、頭を低くして肩甲骨の間を、異物が出るのに十分な強さで5回叩きます(背部叩打法;①)。その後、今度は背中を下にして、救助者の前腕で対幹を、手で頭を支え、頭を低くして、5回胸骨圧迫をします(乳児へのCPRの two finger法と同じ方法です;②)。この一連の動作を異物が出るか、傷病者の反応がなくなるまでくり返します。

 

反応がなくなってしまった場合の対応

子ども(乳児)の反応がなくなってしまったら、子どもを仰向けに寝かせ、胸骨圧迫から乳児の心肺蘇生(CPR)を行います。気道確保の際に異物が口の中に見えたら除去します(盲目的に搔き出そうとしてはいけません!むしろ異物を押しこんでしまう危険性があります!)。異物が除去されたら脈を確認し、触れなければCPRを続けます。

 

これら一連の流れ(救急要請~応急処置まで)は政府インターネットテレビ「窒息事故から子供を守る」で分かりやすくまとめられています。

窒息事故から子どもを守る|政府インターネットテレビ (gov-online.go.jp)

万が一の時に対応できるように、これを機にご覧になって頂きたいと思います。 (小児科 土谷)

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