院長先生のブログ
HPVワクチンの安全性(海外編)
今回はHPVワクチンの安全性についてです。
結論から言うと、HPVワクチンの安全性は既に確立されています!
WHOワクチン安全性諮問委員会(GACVS)の声明文(2015年12月)は、「弱い根拠に基づいた政策決定は、安全かつ効果的なワクチンの不使用につながり、真の被害につながる」と日本を強烈に批判しています。ポジションペーパー(2017年5月)ではHPVワクチン接種後の有害事象について「HPVワクチン接種後の有害事象は一般に重篤ではなく、短期間で終了する」と述べています。
海外から発表された安全性に関する報告のまとめを示します。
≪公的機関等の声明≫
アメリカ疾病予防管理センター(CDC)
HPVワクチンの安全性は複数の研究によりエビデンスが得られており、ワクチン有害事象報告システムにおいても安全性に関する深刻な懸念は確認されていない
ヨーロッパ医薬品庁(EMA)
現在得られているエビデンスは、HPVワクチンが複合性局所疼痛症候群(CRPS)や体位性頻脈症候群(POTS)の原因となることを示さないため、ワクチンの使用方法の変更や現在の製品情報の改訂などの必要はない
Cochrane Library
15~26歳の女性における重篤な副反応のリスクがHPVワクチン接種で増加することは認められていない
以上述べた報告のほかにも、安全性に関する多くの報告がされていますが、HPVワクチンの安全性を否定するものはありません。日本だけ安全性に問題があるなんてことはないのですが、明日は日本国内における安全性の評価について述べたいと思います。 (小児科 土谷)