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見附市小児科 2023年春開院 みつけこどもクリニック | 小児科一般診療・予防接種・乳児健診 見附市

long COVIDの病態 -ウイルス再活性化①-

昨日に引き続き、折角なのでlong COVIDの病態に関する論文、その中でも「ウイルス再活性化」について書かれた論文です(Pathogens. 2021 Jun 17;10(6):763.(doi.org/10.3390/pathogens10060763))。

 

この論文は、long COVIDの病態においてEBウイルス再活性化が関与する可能性について検討しています。無作為に調査したCOVID-19患者185名におけるlong COVIDの有病率とEBウイルスの再活性化に関連があるかを調査しました。

long COVIDの有病率は30.3%(56/185名)でした。
EBV早期抗原(EA-D)IgGまたはEBVウイルスカプシド抗原(VCA)IgMの陽性率を調査したところ、long COVID患者:66.7%(20/30)、対照群:10%(2/20)でEBV再活性化が認められました(p<0.001)。EBV再活性化を認めたlong COVID症例では、頻度の高い順に疲労、不眠、頭痛、筋痛、混迷、筋力低下、皮疹(下図)を呈していました。


COVID-19の陽性反応が出てから21~90日後の第2グループ18名でも、同様のEBウイルスの再活性化所見が認められ、COVID-19感染後早期、もしくは同時に再活性化が起こる可能性が示されました。

 

long-COVIDは単一の病態ではないと考えられていますが、その病態の1つにウイルスの持続感染や再活性化があると思われます。 (小児科 土谷)

 

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