引き続いて、long COVIDの病態について。「持続感染」に関する論文（medRxiv. Jan 19, 2023.（doi.org/10.1101/2023.01.18.23284742））です。

米国ジョン・ホプキンス大学からのプレプリント論文で、入院していない軽症73名を検討しています。

COVID-19急性症状発症から90日以上経過した時点でのbrain fogおよび筋痛は、（年齢、性別、肥満、およびワクチン接種状況を調整すると）COVID-19急性期症状発症から28日以内のウイルスRNAクリアランスと負の相関を示しました（brain fog：絶対リスク減少率0.46，筋痛0.28）。Brain fogや筋痛はウイルスRNAの排除が遅い場合に生じるということ。

以上から、COVID-19急性発症から90日以上経過した時点で、少なくとも2つのlong COVIDの症状が、上気道からSARS-CoV-2ウイルスRNAのクリアランスまでの時間と関連していることが示されました。

SARS-CoV-2の「持続感染」についての論文でした。プレプリント論文なので、まるっと鵜呑みにすることは出来ませんが、他の論文などと総合的に考えると病態に一枚噛んでいるのは間違いなさそうです。　（小児科　土谷）