院長先生のブログ
どんぐりころころ

昨日は心肺蘇生(CPR)で行う胸骨圧迫の深さについて触れました。
今日は胸骨圧迫のスピードについてです。胸骨圧迫は一分間に100回~120回のスピードで行います。
何故、胸骨圧迫の速さは毎分100~120回なのでしょうか?
ある院外心停止を対象とした観察研究(Circulation. 2012;125:3004-3012)によると、胸骨圧迫の平均テンポが140回/分を越えると生存退院率が急激に低下することが分かっています。これは胸骨圧迫のテンポが140回/分以上の場合、速すぎるテンポにより不十分な圧迫の深さ、不十分なリコイル、不十分な拡張期血液充満時間がもたらされ、傷病者の生存退院率に悪影響を及ぼすことが原因だと考えられています。このため、過度に速いテンポでの圧迫を避け、下図の100~120回/分の速さで胸骨圧迫を実施しましょう!
心肺蘇生のリズムを学ぶのに適した歌として、アメリカ心臓協会(AHA)は「Stay‘n alive」という曲を例に挙げています。パッと思い浮かぶ方もいると思いますが、「馴染みがない」と思われる方もいることでしょう。
100~120回/分の速さということで、100~120BPMの曲の例を挙げてみます。 世界に一つだけの花
アンパンマンマーチ
どんぐりころころ
My Way/Def Tech
虹/福山雅治
イージュー★ライダー/奥田民生
ボーイフレンド/aiko
他にも様々な曲があると思います。
興味がある方は、自分にあった曲を探してみても良いのではないでしょうかw (小児科 土谷)