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見附市小児科 2023年春開院 みつけこどもクリニック | 小児科一般診療・予防接種・乳児健診 見附市

long COVIDの病態 -持続感染⑫-

long COVIDの病態について。

持続感染に関する論文(Science Translational Medicine. Jun 7, 2022)です。

long COVIDの病態機序を明らかにするために、SARS-CoV-2ウイルスまたはインフルエンザAウイルスを感染させたゴールデンハムスターの短期および長期の全身反応を比較した研究です。

 

初感染31日後に2つのウイルスが肺で同様の反応を引き起こす一方、SARS-CoV-2ウイルスのみが嗅覚神経系で慢性的な免疫反応を引き起こし、それがウイルス除去後1カ月経っても明確に認められることが分かりました。つまり、感染性をもつウイルスが検出されないにもかかわらず、嗅球と嗅上皮では骨髄系細胞とT細胞の活性化、炎症性サイトカイン産生、インターフェロン反応が生じていたということです。

著者らは初感染により死んだ細胞の残骸やウイルスRNA断片が炎症を長期化させるという説を唱えていますが、驚くべきことに、これら嗅覚神経系における免疫反応はウイルス除去後1ヶ月に及ぶハムスターのうつや不安を示唆する異常行動と相関していました。

つまり、嗅覚神経系での持続的な免疫反応が脳に影響を及ぼし、ブレインフォグやlong COVIDをきたしている可能性が考えられるということです。そして、COVID-19から回復したヒト患者の嗅覚組織でも、持続的に上記と同様の転写の変化が認められていました(インフルエンザA感染では認められない)。

 

long COVIDの病態機序を解明するうえで役立つ内容の論文でした。 (小児科 土谷)

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