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見附市小児科 2023年春開院 みつけこどもクリニック | 小児科一般診療・予防接種・乳児健診 見附市

メトホルミンはlong COVID予防薬として有望である

これまでlong COVIDの病態について触れてきたので、本日は予防薬についての論文(Lancet Infect Dis. 2023 Jun 8:S1473-3099(23)00299-2)を紹介します。

 

COVID-19感染後すぐにメトホルミン、イベルメクチン、フルボキサミンによる外来治療を行い、long COVIDのリスクが低下するかを検討した無作為化四重盲検第3相試験(COVID-OUT)です。

対象は発症7日未満で、登録前3日以内に感染が証明された30~85歳の過体重または肥満の成人です。2×3の並行要因ランダム化により、メトホルミン+イベルメクチン、メトホルミン+フルボキサミン、メトホルミン+偽薬、イベルメクチン+偽薬、フルボキサミン+偽薬、偽薬+偽薬の投与群に割り付けました。1431人が無作為に割り付けられ、うち1126人が長期フォローアップに同意し、1126人中1074人(95%)が少なくとも9ヵ月の追跡調査を完了しました。1126人のうち93人(8.3%)が300日目までにlong COVIDと診断されました。

300日目までのlong COVIDの累積発生率はメトホルミン投与群で6.3%、偽薬群で10.4%でした(ハザード比0.59;p=0.012)。

発症後3日以内にメトホルミンを開始した場合のHRは0.37でした。イベルメクチン(HR 0.99)またはフルボキサミン(1.36)は無効でした。

以上から、メトホルミンは偽薬と比較してlong COVID罹患率を約41%減少させ、絶対減少率は4.1%でした。

 

メトホルミンは安価&安全な薬剤です。

long COVID予防薬としての効果が期待されますね。 (小児科 土谷)

 

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