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見附市小児科 2023年春開院 みつけこどもクリニック | 小児科一般診療・予防接種・乳児健診 見附市

long COVIDの病態 -迷走神経機能障害-

long COVIDの病態について。

これまでは「持続感染」について触れることが多かったので、今日は「SARS-CoV-2ウイルス感染に伴う迷走神経機能障害」についての論文(Lancet preprint. Available at SSRN:https://ssrn.com/abstract=4479598)を紹介します。

 

SARS-CoV-2ウイルス感染に伴う迷走神経機能障害の可能性を検証するために、迷走神経障害を示唆する症状を有するlong COVID患者30人(迷走神経障害群)と急性COVID-19から完全に回復した患者14人(回復群)、および非感染者16人(非感染群)を対象として、種々の迷走神経機能検査を行いました。

 

最も多く認めた症状は、順に認知機能障害(83%)、呼吸困難(80%)、頻脈(80%)でした。

回復群/非感染群に比べ、迷走神経障害群では頸部超音波検査で迷走神経の肥厚と高輝度を認める傾向が高く(左迷走神経断面積: 2.4対2.0対1.9mm2,p=0.080)、横隔膜曲線の扁平化(47%対6%対14%,p=0.007)、食道蠕動運動の低下(34%対0%対21%,p=0.020)、胃食道逆流(34% vs 19% vs 7%,p=0.130)、食道裂孔ヘルニア(25%対0% 対7%,p=0.050)、機能的呼吸テストにおける最大吸気圧の低下(62%対6%対17%,p≦0.001)が認められました。

以上から、迷走神経機能障害もlong COVIDの病態機序において、重要な役割を果たすものと考えられました。

long COVIDは「持続感染」だけでなく、迷走神経機能障害も含めたさまざまな要素が複合的に絡み合って成立していそうですね。。 (小児科 土谷)

 

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