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見附市小児科 2023年春開院 みつけこどもクリニック | 小児科一般診療・予防接種・乳児健診 見附市

long COVID 画像編④

SARS-CoV-2ウイルスが脳に到達するのか、ウイルスの神経向性が加齢によってどのように影響されるかについて、非ヒト霊長類モデル(マカクザル)で検討した論文(Cell Reports.Oct12,2022(doi.org/10.1016/j.celrep.2022.111573))を紹介します。

 

≪結果≫

感染後7日目にSARS-CoV-2ウイルスが嗅覚皮質および相互接続領域に検出され、Spike (Spk) タンパク質とSARS-CoV-2ウイルスの複製サイクルの中間分子で生産的感染のマーカーであるdsRNAを検出しました。

これらは嗅球、梨状皮質、内嗅野を含む一次嗅覚皮質の複数の領域で認められました。

老化した動物では、これらに加えて、二次嗅覚皮質の一部である眼窩前頭皮質でも同様の所見が確認されました。この分布パターンは、他のコロナウイルスで以前報告された侵入メカニズムである嗅覚上皮からのウイルスの軸索拡散と一致するものであった。ウイルス感染の最初の標的は神経細胞で、強固な神経炎症と血管の破綻を伴っていた。

 

以上から、非ヒト霊長類モデルの検討ではあるものの、SARS-CoV-2ウイルスの伝播経路として嗅覚伝導路が考えられ、高齢者では二次嗅覚領域の眼窩前頭皮質まで進展し、認知機能障害をきたす可能性があることが分かりました。

 

COVID-19は認知症やアルツハイマー病の危険因子であることを認識しましょう(特に高齢者にとって)。扱いは5類になったとはいえ、その本質はインフルエンザなどとは大きく異なるので要注意です。 (小児科 土谷)

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