院長先生のブログ
扇
暑い日が続きます。
以前、団扇をネタにしたので、今日は「扇」です。
中国を通じて日本に入った扇は、奈良時代に日本独自の発展をとげます。記録用の木簡を何枚も綴じ合わせることで檜扇が生まれ、折り畳むことが出来るように進化しました。
16世紀、大航海時代に日本の折りたたみ式の扇は、ポルトガル、スペインを経由してヨーロッパへ入ります。そのヨーロッパの宮廷で、女性の持つ儀礼の道具として扇は大流行しますが、18世紀フランス革命で一掃されてしまいます。その後、19世紀に扇の人気が再燃し、ベルエポック期までその人気は続きました。
ちなみに、ヨーロッパの扇にはブリゼ式(日本の檜扇に相当)、プリーツ式、コケード式の3種類があります。ヨーロッパの絵画の中で、見つけてみると面白いかもしれませんねw
左:ルノワール『扇を持つ女』1881年
真ん中:ピカソ『椅子に座るオルガ』1918年 モデルはパブロ・ピカソの最初の妻です。
右:クリムト『扇子を持つ婦人』1907〜1908年 最後の傑作とされる画です。
それにしても、画の中は涼しそうで羨ましい。。
暑い日が続きますので、皆様も体調管理にお気をつけ下さい。 (小児科 土谷)