院長先生のブログ
子どもの頭部打撲 -生後0~4か月-
昨日の「転倒」の話の中で、子どもの頭部打撲について触れたので、本日からその追加補足を行います。
頭部打撲は子どもの発達によって、その受傷機転の特徴と対策が変わります。そこで、今回は発達の特徴、受傷機転の特徴、対策の3つについてザックリと触れます。そして、例によって朝礼前の僅かな時間で書いているので、年代別に分割してお届けしますのでご了承くださいw
生後0~4か月頃
1)発達の特徴
「この頃の子どもは自分で動くことによる頭部打撲は起こらない」と思われる方も多いと思いますが、重心移動の練習をするようになると、上下左右に身体が動き、子どもの位置が移動してしまうことが起こり得ます(可能性はゼロではない!)。その結果、ソファから落下したなんて事例も報告されています。
2)受傷形態の特徴
この年代の子どもの場合、基本的な移動は保護者の方々が行っています。そのため、保護者が転倒すると、子どもを落としてしまい、子どもの頭部打撲が発生します。
また、前述したとおり、重心移動の練習をしている間に、少しずつ体の位置が移動してベッドやソファの上から転落することもあります。「寝返りをするまで、子どもは自分で落ちたりしない!」というのは単なる思い込みです。
交通事故:チャイルドシートを装着せず、自動車で保護者と一緒に移動している時、移動中に泣き止まないのでシートから出して哺乳している時に事故に遭うと、子どもだけ車内を飛んだり、車外に放り出されたりする事態が発生します。最近では、ながら見運転により後方から車が追突してくる事故も増えています。
3)対策
子どもを抱っこする部屋や移動経路に保護者が躓く原因になるものを置かないように、普段から整理整頓しましょう。躓きやすいという点で、子どもを抱っこする時はスリッパの使用を控えた方が良いでしょう。
少しでも子どもから目を離すときは、子どもを柵のあるベッドに置くか、子どもを一時的に床に置くようにしましょう。
チャイルドシートを事前に購入し、予め車に取り付けておきましょう。子どもをしっかり固定することが大事です。チャイルドシートから子どもを出して授乳するときは、車を必ず安全な場所に停車させてから行いましょう。
今回は生後0~4か月で起こり得る頭部打撲に関して、発達の特徴、受傷機転の特徴、対策について触れました。次回は「生後5か月~1歳まで」に絞って紹介します。 (小児科 土谷)