院長先生のブログ
子どもの予防可能な傷害 -転倒-
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子どもの転倒は発達との関連が強く、生後10ヶ月頃(つかまり立ちができる)から発生しはじめ、一人歩きを始める1歳でピークとなります。また、年齢が低いほど屋内での転倒の割合が高い特徴があります。
小児、特に年少児は頭部が相対的に大きく、重心が上方にあるので転倒しやすいという身体的特徴があります。そのため、低年齢の子どもほど、頭部打撲が多くなります(逆に、年齢が進むと四肢や体幹部の打撲が増加する)。
小児の頭部外傷は、頭蓋骨が薄いため、骨折と頭蓋内損傷の危険が高くなります。ただし、乳幼児(特に6-24ヶ月の児)の場合、頭蓋骨に弾力性があるため、骨折がなくても頭蓋内損傷が存在する可能性があるので注意しましょう。
一方、小児は体幹部が短く、転倒時に何かにぶつかった場合、狭い領域に外力が集中しやすいという特徴もあります。特に、腹部は内臓脂肪が少なく腹壁筋が弱いため外力を十分に緩衝できず、内臓損傷が起こりやすいので注意が必要です。
とにかく、家庭では予防が大事。
自宅内の危険な場所や子どもが躓きやすいものを確認し、予防対策を取りましょう。
日本小児科学会の小児救急・集中治療委員会が作成した保護者向けの資料が具体的で分かりやすいので、是非参考にしてください!
転倒(ころんだ)–小児科01-06 6 2 (jpeds.or.jp)
不幸な子どもの傷害が1件でも多く減りますように。 (小児科 土谷)