院長先生のブログ
COVID-19 急性期合併症①
COVID-19感染後、重篤な疾患の発症リスクが有意に高くなることが分かっています。
今回は急性期合併症に関する話題です。
コロナ罹患後回復した退役軍人約15万3千人(治癒後約300日間経過観察)を、約1千万人のコロナ非感染者の対照群と比較した論文(Nature Medicine volume 28, pages583–590 (2022))です。
COVID-19感染後は、年齢、人種、性別、持病の有無にかかわらず、脳血管疾患、心疾患、血栓性疾患などの重篤な疾患(特に炎症性心疾患、血栓性疾患)の発症リスクが有意に高くなることが分かりました。
このように、COVID-19は急性期に多彩な合併症を呈することが知られています。
呼吸器系:肺炎、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)
循環器系:不整脈、急性心障害、ショック、心筋炎、心停止
血栓・塞栓症
肺塞栓症や急性期脳卒中などの血栓・塞栓症が報告され、高い致死率との関連が指摘
脳梗塞、心筋梗塞、深部静脈血栓症 etc
COVID-19の重症度が高いほど合併率が高い
炎症性合併症:ギランバレー症候群、MIS-C etc
全てではありませんが、これまでに分かっていること、興味の沸いた病態などを、今後少しずつ紹介していこうと思います。 (小児科 土谷)