院長先生のブログ
COVID-19 急性期合併症④
成人ですが、COVID-19入院患者の合併症の程度と影響を明らかにすることを目的とした前向きの多施設コホート研究(Lancet. July 17, 2021(doi.org/10.1016/S0140-6736(21)00799-6))を紹介します。
期間は2020年1月から8月で、49.7%(3万6367人/7万3197人)が少なくとも1つの合併症を呈していたことが分かりました。
そして男性および60歳以上の高齢者が高頻度に合併症を呈していたことも分かりました。
60歳以上の男性で54.5%
60歳未満の男性で48.8%
60歳以上の女性で48.2%
60歳未満の女性で36.6%
頻度の高い合併症には、腎障害(24.3%)、呼吸器合併症(18.4%)、全身性合併症(16.3%)で、心血管(12.3%)、神経系(4.3%)、胃腸または肝臓(0.8%)も認められました。これらの合併症は退院時の自立能力の低下と関連していましたが、特に神経系の合併症(髄膜脳炎, てんかん, 脳血管障害)は最悪の機能的転帰と関連していました。
昨日述べた通り、急性期に神経合併症をきたした場合はリスクが高く、要注意なのは間違いなさそうですね。 (小児科 土谷)