新型コロナウイルス感染者は、入院の有無に関わらず、回復後に多くの人で心血管系の異常が見られることが分かっています（JAMA. 2022;327(12):1113-1114.doi:10.1001/jama.2022.2411）。

今回は血栓症・塞栓症の頻度がコロナ感染により変化したかを調査した論文（Circulation. 2022 Sep 20;146(12):892-906. ）を紹介します。

調査期間は2020年1月から12月で、成人約4,800万人について調査しています。

その結果、COVID-19感染者は感染から1～2週間の間に血栓症・塞栓症の頻度が増加することが分かりました。非罹患者と比較して感染者では、心筋梗塞が約15倍、虚血性脳卒中が約20倍、肺塞栓が約30倍、深部静脈血栓症が約15倍、発症しやすいという結果でした。

以上から、肺炎死ではないCOVID-19罹患者の死亡はCOVID-19と無関係とは言えず、基礎疾患、特に肥満のある方では要注意です。　（小児科　土谷）