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見附市小児科 2023年春開院 みつけこどもクリニック | 小児科一般診療・予防接種・乳児健診 見附市

口腔内のケガを考える②

今回は歯ブラシによる口腔内のケガの特徴についてです。

 

歯ブラシによるケガの特徴は、受傷する口腔の奥に重要な血管や神経が存在しており、歯ブラシが刺さることでそれらを直接損傷したり、ケガによって生じた気腫が気道や頸動脈を圧迫したりして重症化するリスクがあることです。そして、口腔内や歯ブラシには細菌が多いため、受傷により膿瘍形成することも多いです。

また、口腔内の傷はすぐに収縮してしまうので、刺さった跡が小さく見えてしまい過小評価されやすいのもこのケガの特徴と言えます。

 

このように、歯ブラシによる口腔内のケガは傷そのもの以外の問題を沢山はらんでおり、特殊なケガであることが分かります。

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自験例の紹介

患児(1歳8か月)が歯ブラシを口にくわえたままで、自宅のリビングにあるソファーで兄と遊んでいたところ、体勢を崩してソファーから床へ転落した。落ちた拍子に、歯ブラシが口腔内に刺入され、現場に居合わせた父親が歯ブラシを引き抜き、子どもの状態を観察したところ、口腔内から出血が認められたため救急外来を受診した。

受診時の診察では見える範囲に口唇・口腔粘膜に歯ブラシ刺入部位は確認できず、握雪感なども認められなかったが・・・画像検査をしてみると・・!

歯ブラシ刺傷による左下咽頭穿孔、深頸部・縦隔気腫と診断し、同日入院した。

 

歯ブラシ外傷を過小評価してはいけないと痛感した症例でした。

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今回は歯ブラシによる口腔内のケガの特徴について触れました。次回は傷害予防のために何が出来るのか?について考えてみたいと思います。 (小児科 土谷)

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