院長先生のブログ
HPVワクチンは何歳までに接種したら良いのか?
「いつ頃までにHPVワクチン接種を受けたら良いのですか?」
予防接種をしていると、ときどき質問を受けるので、今日はそれに関連した論文(J Natl Cancer Inst
. 2021 Oct 1;113(10):1329-1335. )です。
Real-World Effectiveness of Human Papillomavirus Vaccination Against Cervical Cancer – PMC (nih.gov)
デンマークの研究グループが自国の約87万人の女性について調査したものです。
結果だけ抜粋しますが、接種後5年間観察した結果、女性が20才以下でワクチン接種を受けると、子宮頸がんの発生率が8割以上抑制され、16才以下の接種では86%抑制されていたことが分かりました。
一方、20才を過ぎての接種は効果が低いこともわかりました。
ワクチン接種はゼロリスクではありませんが、HPVワクチンの場合、20歳以下で予防接種を受けると非接種の場合に比べて子宮頸がんの発生が8割程度抑えられることを考えると、大きなベネフィットだと思います。
ちなみに、HPVワクチンのキャッチアップ接種の期限が迫っています!
今年9月までに1回目を接種しないと3回目まで終了できません。
キャッチアップ世代は、1997年4月から2007年4月生まれの人で、現在17才~27才あたりの年代の方々です。
★「ちばHPV zero プロジェクト」からのお知らせ | 千葉県産科婦人科医学会 (chibaog.org)
ワクチン接種では常に、得られるベネフィットと被りうるリスクを天秤にかけ、接種するかどうか決めると良いでしょう。前向きに検討して頂ければ幸いです。 (小児科 土谷)