春先などの季節の変わり目の時期は、体調を崩しやすく、蕁麻疹を主訴に来院されるお子さんが多くなります。そんな時、保護者の方々から「蕁麻疹の治る時期」についてよく聞かれるので、今回はそれに関する日本からの論文（Allergol Int. 2017 Jul;66(3):458-462. doi: 10.1016/j.alit.2016.12.007. Epub 2017 Jan 13.）です。

Analysis of primary treatment and prognosis of spontaneous urticaria – ScienceDirect

ざっくりとした内容だけですが、原因不明の蕁麻疹と診断された386人のうち、治っていない確率は、発症から1週間後で26.8％、4週間後で15％、1年後で6.7％でした。20歳未満の方がやや改善度は良く、4週間で概ね90％が緩解したとあります。

原因が特定されない急性蕁麻疹で来院した患者さんは、多くは1週間以内に改善するものの、10％程度は慢性蕁麻疹になる可能性があることが分かります。

2週間以上、蕁麻疹が持続する場合は、慢性蕁麻疹の場合もあるので注意が必要ですね。　（小児科　土谷）