院長先生のブログ
ゴールドウォーター・ルール
「ゴールドウォーター・ルール」は、アメリカ精神医学会が定める倫理規定(の一部)の俗称で、精神科医が直接診断していない公的な人物に対して、その人物の精神的な状態に対して論じることを戒める内容となっています。
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何故、この話題に至ったかというと、有名人の病気を診てもいない医師が論じていいのか、最近のワイドショー(それに関連するメディア)を見てふと疑問に思ったからです。
本人やご家族の同意もなく、その病気について診察もしていない医師が公の場で論じるというのは、一般的には止めた方が良いと僕は思っています。
歴史的偉人やすでに病気について本人が公表されている場合は、まだよしとしても、当事者自身が公表していない場合、本人すら認識していないかもしれない病気について論じるのは如何なものかと思います。
そして、診療の場で患者との信頼関係が構築された場合であっても、それを勝手に公表する(公の場で明らかにする)ことは守秘義務があるのでダメ。もちろん、それは相手が有名人であっても当然ダメ。そのような行為は医師(医療)の職業倫理に則っていないと思うので、沈黙を保つべきだと思います。
ましてや、医学知識の無い一般の方々がTV、ネットや誌面上で、病状について語る/憶測するのは論外だと思います。今までメディアで当たり前のようにやってきたことであっても、今の世の中ではアウト!ということは沢山あります。本当に、このような行為が適切な行為なのか?冷静になって考えてみると良いと思います。
結局のところ、誰であっても「ダメ」ということになってしまいますが、皆さんはこの問題をどうお考えですか? (小児科 土谷)