院長先生のブログ
妊婦さんの便秘と子どものアレルギー性鼻炎
妊婦さんの便秘と子どものアレルギー性鼻炎の関係について調べた論文(PLoS One 2023 Oct.5)を紹介します。
台湾の健康保険データベースを用いて、2005年から2015年の間に102,820人の便秘の母親と102,820人の対照群を同定し、傾向スコア分析を用いて、出生年、子どもの性別、出生体重、妊娠年齢、分娩様式、母親の併存疾患、子どもの抗生物質服用などを照合。小児のアレルギー性鼻炎の調整ハザード比を推定するために、多変量cox回帰分析とサブグループ解析を行いました。
小児のアレルギー性鼻炎の発生率は、便秘の母親から生まれた小児では1,000人/年あたり83.47人でした。子どもの性別、出生体重、妊娠年齢、分娩様式、母親の合併症、小児の抗生物質使用を調整した結果、母親が便秘であった小児は、便秘でなかった母親の小児に比べてアレルギー性鼻炎のリスクが1.20倍と高く、母親の便秘はアレルギー性鼻炎のリスクと関連していました。
本文中では、母親の腸内細菌叢の異常が子どもの免疫系発達に影響を及ぼし、アレルギー疾患のリスクを高めている可能性があるとされていました。ほんとのところはどうなのか?興味が沸きますねw (小児科 土谷)