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見附市小児科 2023年春開院 みつけこどもクリニック | 小児科一般診療・予防接種・乳児健診 見附市

COVID-19 小児編⑬

10代の日本人患者におけるCOVID-19罹患後症状の傾向について検討した論文(Medicina (Kaunas). 2023 Feb; 59(2): 261.)です。

Trends in Long COVID Symptoms in Japanese Teenage Patients – PMC (nih.gov)

 

2021年2月15日~2022年10月31日の期間に、岡山大学病院のコロナ・アフターケア外来を受診した452人(11~18歳:54人、19歳以上:398人)を対象に、カルテから得られたデータを基にCOVID-19罹患後症状の傾向について調査しました。

学校に在籍していても登校できない患者を不登校と定義しました。

COVID-19の罹患後症状は、COVID-19発症後4週間以上持続する症状と定義しました。

2群間の差はχ2乗検定で統計解析を実施しました(p<0.05)。

 

10代のCOVID-19罹患後症状の特徴を成人(19歳以上)と比較し、変異株の変化による傾向と不登校に関連する要因を検討したところ、10代の患者と成人の両群で最も多く認められた症状は倦怠感でした(55.6% vs 61.1%, p=0.438)。一方、10代患者で2番目に多かった頭痛は成人よりも有意に発症率が高かったことが分かりました(35.2% vs 21.9%, p=0.03)。

流行する変異株ごとに期間を分けて、発現した症状の傾向を調べた結果、デルタ株流行期では臭覚傷害や味覚障害が主な症状として認められましたが、オミクロン株流行期では倦怠感や頭痛が主な症状でした。

10代のCOVID-19罹患後症状発症者のうち、通学中の50人について解析した結果、28人が罹患後症状のために登校できていませんでした。その主な理由は倦怠感(85.7%)、頭痛(42.9%)、不眠(32.1%)でした。

小児は成人と比べて、COVID-19罹患後に症状が遷延することは少ないとされてきましたが、発見が遅れて対応が後手に回ると不登校や引きこもりに進展する可能性があります。外来をする側としては見落とさないようにしたいところですねw (小児科 土谷)

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