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見附市小児科 2023年春開院 みつけこどもクリニック | 小児科一般診療・予防接種・乳児健診 見附市

COVID-19 小児編⑮

2021年3月~2022年4月に大阪府八尾市で行われた、COVID-19患者における罹患後症状、ワクチン接種状況、社会経済状況への影響等について非感染者と比較した実態調査を紹介します。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の羅患後症状について (mhlw.go.jp)

 

2021年3月~2022年4月にCOVID-19に感染し、HER-SYSに登録された大阪府八尾市在住の5~79歳:17450人、及び感染者と性別・年齢・小学校区をマッチさせた非感染者17402人の合計34852人を対象に、自記式アンケートを実施しました。

調査時期は2022年11月1日~11月30日で、罹患後症状の定義は、感染者において2ヶ月以上持続し、かつ初回感染から3ヶ月時点で有した症状とし、罹患後症状の項目はISARICのfollow-up protocolを採用しました。

 

その結果、成人(18~79歳)の有効回答者数:計7660人(有効回答率28.7%、感染者:4278人、非感染者:3382人)で、小児(5~17歳)の有効回答者数:計3141人(有効回答率38.5%、感染者:1800人、非感染者:1341人)でした。

 

小児のCOVID-19罹患者のうち「いずれかの症状あり」と回答した方は6.3%(114/1800人)でした。

このうち、生活への支障について「深刻な支障あり」と回答した方は10.5%(12/114人)でした。成人の罹患者のうち「いずれかの症状あり」と回答した方は15.0%(640/4278人)で、生活への支障について「深刻な支障あり」と回答した方は15.9%(102/640人)でした。

 

感染前のワクチン接種と罹患後症状の関係については、感染前にCOVID-19ワクチンを複数回(八尾市 2回以上)接種した者は、成人・小児ともに未接種者と比べ、罹患後症状の割合が少なかったことが分かりました。

以上から、何らかの罹患後症状を有した割合は、成人で15.0%、小児で6.3%であり、成人・小児ともに感染者において非感染者より高かったことが分かりました。また、感染前にCOVID-19ワクチンを2回以上接種した者は、成人・小児ともに、未接種者と比べて、罹患後症状の割合が少ないことが分かりました。

 

札幌のデータとほぼ同様の傾向を示しています。いくつかのlimitationはあるものの、感染前にCOVID-19ワクチンを2回以上接種した人は、成人・小児ともに、未接種者と比べて、罹患後症状(いわゆるlong COVID)の割合が少ないみたいです。

long COVIDに対する決定的な治療法が確立されていない現状では、感染予防に力を注いで欲しいな~っと思う今日この頃です。 (小児科 土谷)

 

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