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見附市小児科 2023年春開院 みつけこどもクリニック | 小児科一般診療・予防接種・乳児健診 見附市

アトピー性皮膚炎 保湿剤④

ご存じの通り、保湿剤にはエモリエントとモイスチャライザーがあります。

小児のアトピー性皮膚炎の治療の柱の一つである、スキンケアに用いる際の保湿剤はどちらを使用したら良いのでしょう?今日は少し古い論文(Acta Derm Venereol. 2015 May;95(5):587-92.)ですが、それに関する話題を紹介させて頂きます。

Comparison of Moisturizing Creams for the Prevention of Atopic Dermatitis Relapse: A Randomized Double-blind Controlled Multicentre Clinical Trial | Acta Dermato-Venereologica (medicaljournalssweden.se)

 

18歳以上のアトピー性皮膚炎患者172例をランダム化して、①モイスチャライザーである尿素を含有した保湿剤、②尿素を含有しない基剤を180日間塗布した場合の再燃率を比較しました。

その結果、モイスチャライザーである尿素を含有した保湿剤を塗布した群で再燃が少なかったことがわかりました。

この報告から、アトピー性皮膚炎における普段使いの保湿剤はモイスチャライザーの方が良いと推察されます。

僕は有害事象の兼ね合いから、継続処方の場合を除いて尿素含有保湿剤をあんまり処方していませんので、ヘパリン類似物質製剤やセラミドが含有された市販の保湿剤がこれに該当します。

 

(価格や使用感などの理由で)患者さんが塗布してくれなければ、どんな処方をしても水泡に帰しますので、結局のところは患者さんと二人三脚で「自分に合った保湿剤」探さなければなりません。

外用を選択する際に試行錯誤することもありますが、自分に合った保湿剤を見つけ、スキンケアを毎日継続していきましょう! (小児科 土谷)

 

注)市販の保湿剤を使用する際、食品成分が含まれた保湿剤は避けましょう!

 

 

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