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見附市小児科 2023年春開院 みつけこどもクリニック | 小児科一般診療・予防接種・乳児健診 見附市

アトリエの窓

今日は久しぶりにゴッホに関する話題です。

ゴッホは1888年12月に最初の精神障害の発作を起こし(耳切事件)、翌年5月、失意のうちに自らサン=レミ郊外のサン=ポール=ド=モーゾール精神療養院に入院しました。


修道院に併設されていた療養院で彼は2つの部屋を与えられ、1つは寝室、もう1つはアトリエとして使用し、他の患者の悲鳴や叫び声をかき消すように絵に没頭していたそうです。

 

この作品『精神療養院のフィンセントのアトリエの窓(1890年)』は、アトリエとして使っていた部屋の窓を描いたものです。鉄格子の入った窓ごしには青空が映り、緑の木が見えるのが分かります。

激しい発作に襲われることが多かった彼ですが、発作と発作の間の数か月間は嘘のように頭が明快になり、そんな時には精力的に療養院の庭に出て、花々やオリーブ畑、糸杉などを描きました。きっと、この作品も、画の明るい色彩から察するに、彼が体調の良い時に描かれたものなのかも知れません。

 

ちなみに、サン・レミの療養所では晴明な時間も多く、ゴッホは美しい花々の作品を沢山残しています。

これらの作品を書き上げた後、体調が回復したゴッホは、テオの助けを借りて1990年5月にサン=レミの療養院を退所。そして医師ポール・ガシェを頼って、終焉の地となるパリ近郊のオーヴェル=シュル=オワーズに転地することになりました。。。

 

この窓の画を見ると、鉄格子の窓から彼はどんな思いで景色を眺めていたのか?と思いをはせてしまいます。

門や窓は、違う世界へとつながる「扉」。窓から外の違う世界へ出たい彼の「心の思い」が表現されているのかも知れません。

 

振り返るとゴッホの人生は辛い人生でしたが、後世で彼の絵に惹きつけられている人が如何に多いことか。

彼が命を燃やすように描いた作品は沢山残されています。

いつか彼の全ての作品を見ることが出来る日が来たら嬉しいな~w (小児科 土谷)

 

 

 

 

 

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