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見附市小児科 2023年春開院 みつけこどもクリニック | 小児科一般診療・予防接種・乳児健診 見附市

「繭(コクーン)」は大事

繭は蚕が蛹(さなぎ)になる過程で作り出すもので、皆さんもご存じだと思います。
今日はその繭(コクーン)についてのお話です。とはいっても、集団免疫に関する内容ですが。

集団免疫の考え方にコクーン戦略(Cocoon Strategy)というものがあります。新生児、重症疾患や免疫不全などの理由でワクチンを接種することのできない弱者を守るために、周りの人々にワクチン接種を勧めることで「ワクチンで防げる病気(VPDs)」から守ろうという戦略のことです。

添付した図の2枚目にあるように、ある社会の中に一定数の人がいる(免疫弱者を含む)と仮定します。感染性の高い病原体は接種を受けていない人々に感染し拡がります。すると、何らかの理由でワクチン接種出来ない人、免疫不全などのハイリスク患者を含む免疫弱者の人はワクチンの効果が十分に発揮出来ないため、感染者からハイリスク者の人々に感染が広がってしまい、その結果として重症患者・死亡者が増えてしまいます(3枚目)。そこで、集団に所属する人々にワクチン接種をすすめることで、これらの免疫弱者の人々を守ることが出来ます(4枚目)。

つまり、感染性の高い病原体に対するワクチンは、ハイリスク者だけにワクチン接種するのではなくて、できるだけ多くの人にワクチン接種をすることが望ましいのです。ワクチン接種をすることで、集団への感染拡大もある程度抑制できるので、そういう意味でも一人でも多くの人がワクチン接種を受けておくことが大事です。

 

当院でもGW明けから予防接種が開始されます。コロナ禍を経て、ワクチン接種率が低下しているワクチンもあります。感染症の再拡大を防ぐために、一人でも多くのお子さんがワクチンを接種することが大事です。 (小児科 土谷)

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