院長先生のブログ
不思議の国のアリス
そういえば、昔「不思議な国のアリス」展を見に行ったなっということではなく、病気に関する話題です。もちろん、六本木の森美術館で開催していた展示会には行ったのですが(下図)、今日は受診されたお子さんが、不思議な国のアリスが体験したような訴え(自分の体が、大きくなったり、小さくなったり・・)をしていたので医療ネタとして紹介させて頂きます。
小児には「不思議の国のアリス症候群」という、ときどき遭遇する病気があります(一応、頻度は稀とされていますが、実際にはもっと多いのかもしれません)。イギリスの精神科医のトッド先生によって提唱された症候群で、自分の体の一部が大きく感じたり、小さく感じたり、もしくは時間が実際よりも早く過ぎ去っているような、そんな不思議な体験をする症候群です。原因には、EBウイルス(伝染性単核球症の原因となるウイルス)、脳幹性片頭痛や側頭葉てんかん等が挙げられています。
不思議の国のアリスの作者であるルイス・キャロルが片頭痛や側頭葉てんかんを患っていたのでは?と指摘する論文もあるので、そこら辺は医学的に興味深いところです。
それはさておき、童話「不思議な国のアリス」が作者の実体験に基づいたものと考えると、作者の病気に起因する体験が基になった童話は意外と多いのかもしれませんね。 今度探してみようと思います (小児科 土谷)