院長先生のブログ
11~17歳の青年でも感染3ヵ月後の評価でlong COVIDを認める
昨日、小児のlong COVIDについて触れたので、今日もそれに関する話題です。
非入院の青年におけるlong COVIDを検討したCLoCk研究(Lancet Child Adolesc Health. 2022 Feb 7:S2352-4642(22)00022-0.)を紹介します。
2021年1月~3月の間にPCR陽性となった11~17歳の青年で、質問表に回答した3065人とPCR陰性の3739人を比較しました。
それぞれ1084名(35.4%)および309名(8.3%)に症状があり,かつそれぞれ936名(30.5%)および231名(6.2%)が3つ以上の症状を有していました。
3ヵ月後、PCR陽性者のうち2038名(66.5%)、PCR陰性者のうち1993名(53.3%)が何らかの症状を呈しており、また各群928名(30.3%)および603名(16.2%)に3つ以上の症状が認められました。
PCR陽性群で最も多かった症状は、疲労感(39.0%)、頭痛(23.2%)、息切れ(23.4%)で、PCR陰性群では疲労感(24.4%)、頭痛(14.2%)、その他(15.8%)でした。PCR陽性群は陰性群に比べて、長期にわたるCOVID症状を持つ確率が高く、3つ以上の症状を訴える割合が陽性群で29.6%、陰性群で19.3%でした(リスク比1.53)。
以上から、11歳から17歳の青年であっても、感染3ヵ月後の時点でlong COVIDの症状を呈する可能性あるため、注意が必要です。 (小児科 土谷)