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見附市小児科 2023年春開院 みつけこどもクリニック | 小児科一般診療・予防接種・乳児健診 見附市

long COVIDの病態 -持続感染③-

long COVIDの病態について。本日も「持続感染」に関する話題です。

小児における扁桃/アデノイドにおける持続感染とlong COVIDの関連についての論文(Nat Immunol. Dec 19, 2022. (doi.org/10.1038/s41590-022-01367-z))です。

 

パンデミック後に扁桃摘出術およびアデノイド切除術を受けた小児110人の検体を収集し、血清中の中和抗体、扁桃およびアデノイドのSARS-CoV-2特異的胚中心細胞およびメモリーB細胞を検討しました。

 

既感染が示唆された24検体を同定し検討

*単一細胞におけるB細胞受容体(BCR)配列決定を行ったところ、ウイルス特異的BCRにクラススイッチされ、体細胞的に超変異(抗体の多様性をつくり出すために免疫グロブリン遺伝子の可変領域に高頻度の変異が導入される現象)しており、扁桃腺、アデノイドでクローンが重複していた

*感染後の扁桃腺、アデノイドおよび血液中にT細胞クローン型の拡大が認められ、一部はこれまでに報告されたSARS-CoV-2反応性T細胞受容体(TCR)と同一のCDR3配列(抗原特異性を決定する重要な部分)を有していた

*COVID-19を発症した小児のアデノイドでIFN-γ型反応に関連した胚中心および抗ウイルスリンパ球集団の持続的な拡大が見られ、両組織でウイルスRNAが検出された

以上から、(小児では)上気道におけるSARS-CoV-2ウイルスに対する組織特異的な免疫が、感染後も持続することが示されました。これらの現象が小児のlong COVIDや多系統炎症症候群(MIS-C)に関与している可能性があるものと思われます。 (小児科 土谷)

 

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