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見附市小児科 2023年春開院 みつけこどもクリニック | 小児科一般診療・予防接種・乳児健診 見附市

long COVIDの病態 -持続感染⑦-

long COVIDの病態について。「持続感染」に関する論文(Lancet Resp Med. May 10, 2023)です。

 

ウイルスの体内滞留期間とlong COVID発症のリスクとの間に相関関係がある可能性について議論しています。ウイルスが持続感染する患者における迅速なウイルス除去は重要であると推測しClinicalTrials.govに掲載されているlong COVIDに対するニルマテルビルとリトナビルを用いた臨床試験について紹介しています。

そして、最後にlong COVIDの病態を示す図として、ウイルス持続感染が免疫系の調節異常を引き起こし、炎症性サイトカインの放出増加や血管内皮の損傷を介して、最終的に慢性炎症、血管障害、凝固亢進、微小血栓症、多臓器症状の発症に至るという病態生理モデルを示しています。

感染から回復しても、持続感染をしていれば、慢性炎症、免疫異常や微小血栓の形成などの他の因子が加わった時に、それぞれの臓器で後遺症症状の発現を誘導してしまうというのが今回の仮説です。

 

現在、新型コロナウイルスの持続感染は起きることがあると考えられています。感染の一部が後遺症の発症につながるのであれば、やっぱりこのウイルスには罹患したくないですね。。 (小児科 土谷)

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