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見附市小児科 2023年春開院 みつけこどもクリニック | 小児科一般診療・予防接種・乳児健診 見附市

パンケーキ?

夕方から外来をしていると、様々な訴えのお子さんが受診されます。

この間は「蕁麻疹」。

僕「これまでに食べ物などでアレルギーはありますか?」「これまでにアレルギーと診断されたことはありますか?」

保護者「なにもありません」「以前検査して、ハウスダスト・ダニで反応が出ていました」

僕「受診するまでの経過を教えてください」

保護者「夕方帰ってきたので、ホットケーキを作って食べさせたんです。そうしたら蕁麻疹が出て苦しそうなので連れてきました。」「今まで食べても大丈夫だったんですけど」

僕「お母さんが作って食べさせたんですね」「小麦粉はいつ購入したものを使いました?」

保護者「前に買ってあって、残ってたものを使いました」

ホットケーキ美味しそうだな~ 夕方だしお腹すいたな~っと思いつつ・・・原因は「ダニ」だろうな~っと思いました。これを機に、意外なものが蕁麻疹の原因になるということを知っておきましょう。

 

「パンケーキ症候群」

 

「パンケーキ症候群」というものをご存じでしょうか?

自宅で使いかけの調理粉を台所で保管すると中に侵入したダニが繁殖し(ダニは常温保存されている粉類の環境を好む)、その粉で調理した料理を食べてアレルギー症状を起こすことです。欧米ではパンケーキミックスが原因で起こることが多いため、パンケーキ症候群と呼ばれるようになりました。別名「経口ダニアナフィラキシー」と呼ばれ、日本では、数ヵ月室温保存しておいた使いかけの調理粉を使ってつくったお好み焼きやたこ焼きによる発症が多くみられます。


粉製品を食べてから発症するので、小麦アレルギーと間違えられることが多いです。食べてから30分以内に皮膚粘膜が赤く腫れる、息苦しい、動悸、お腹が痛い、気分が悪くなる、吐くなどの症状が現れます。その場合はすぐに救急車を呼びましょう。ダニアレルギー体質の方に起こる病気ですが、喘息を持っている人は喘息発作による呼吸困難も生じやすく、速やかな対応が必要です。もし料理に使った調理粉が残っていれば、捨てずに保管し、後日受診時に持って行きましょう。顕微鏡で調べるとダニが見つかります。


パンケーキ症候群の予防は、「調理粉の使い残しは冷蔵庫で保存し、早目に使い切る」ことです。ダニはさまざまな食材の成分が入った調理粉を好み、わずかな隙間から侵入し、長期間室温に置くと大量に繁殖します。十分に加熱しても、ダニの死骸や排泄物などがアレルゲンとなり、アレルギー症状が出てしまいます。袋に書かれた保存方法「開封後冷蔵保存」を着実に守ることが大切です。

 

ちなみに、名前の由来をしっていても、病状説明の際の「パンケーキ」に毎度違和感を覚えるのは僕だけでしょうか。。ホットケーキだけどパンケーキ、たこ焼きだけどパンケーキ、ご家族も「パンケーキ?」って反応するんですよねw (小児科 土谷)

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