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見附市小児科 2023年春開院 みつけこどもクリニック | 小児科一般診療・予防接種・乳児健診 見附市

経口補水薬

最近、1年中外来で見かけるようになった胃腸炎。

冬場のこの時期、インフルエンザなどの呼吸器疾患だけでなく、感染性腸炎が特に増える時期なので注意が必要です(外来でも嘔吐・下痢で受診するお子さんが増えてきています)。

お子さんが胃腸炎に罹患したら『嘔吐や下痢のあるときは水分を飲ませないと』と多くの保護者の皆さんが子どもが脱水にならないよう配慮されていると思います。

そこで今回は、胃腸炎の時に役に立つ、『飲む点滴』経口補水薬について紹介します。

 

何を飲ませたら良いのか?

一般的なスポーツドリンクは、汗をかいたときの水分補給用として作られたものなので、下痢や胃腸炎の際に使用するには、塩分濃度が少なく、糖分濃度が高かいといった欠点もあり、あまりお勧め出来ません。下痢や胃腸炎の際は経口補水液を使用すると良いでしょう。

経口補水と点滴を比較した結果、胃腸炎による嘔吐や下痢が原因の脱水を予防する効果は変わらないという研究(Cochrane Database Syst Rev 2006; 2006:Cd004390.)もあるくらいです。経口補水液が『飲む点滴』と呼ばれる所以ですねw

ただし、経口補水液は味の面で、やや飲みにくいことが欠点です。脱水が軽度であれば、100%のリンゴジュースを経口補水液と1:1で混ぜても、軽症の場合は同じぐらい効果があったという報告もあります。どうしても飲みにくい場合、試してみても良いかも知れません。

 

「早めに」経口補水を少量から、あせらずゆっくりと始めましょう

『嘔吐がおさまるまで飲んだり、食べたりするのはダメ』という指導が見受けられますが、米国疾病予防管理センター(CDC)のガイドライン(MMWR Recomm Rep 2003; 52:1-16.)には、絶食期間を3~4時間以内にとどめましょうと記載されています。要するに、早めに経口補水液を少量からあせらずゆっくりと始めていくと良いということです。具体的には、5mlずつ、5分ごとに飲むというのが一般的です。

もちろん状況に応じて臨機応変で対応することになりますが、子ども自身が飲みたいように飲ませてしまうと再度嘔吐することになりかねないので、とりあえず最初は『5ml 5分おき』と覚えておきましょう。

 

そして、嘔吐がおさまって、脱水状態がある程度改善したら、下痢が多少続いていても食事を再開することが出来ます。また、母乳の母乳育児の方は、母乳を続けて良いですし、粉ミルクも薄めず飲ませて構いません。

 

最後に、嘔吐が全然おさまらなくて、自宅での対応が難しい状況であれば、医療機関を受診しましょう。

そして、そもそも罹患しなければこんなツライ思いもしなくて済むので、日頃の手洗い、感染予防対策はとても大事です! (小児科 土谷)

 

 

 

 

 

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