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見附市小児科 2023年春開院 みつけこどもクリニック | 小児科一般診療・予防接種・乳児健診 見附市

COVID-19 急性期合併症㉒

急性期の神経合併症が生じる機序のうち「4)血栓形成」に関連した論文(Stroke Volume 52, Issue 6, June 2021; Pages e233-e238)を紹介します。

 

3か所の医療施設で行われた、急性虚血性脳卒中患者をCOVID-19の有無で比較した後方視的観察コホート研究です。COVID-19経過中に発症した脳卒中発症のタイミングと、炎症、凝固亢進、内皮活性化マーカーについて、COVID-19の有無と脳卒中の原因別に評価しました。

 

観察期間中に、虚血性脳卒中患者21例がCOVID-19と診断されました。

COVID-19患者は対照群(n=168)と比較して、年齢および血管リスク因子は同程度でした。脳卒中発症とCRP、フェリチン、dダイマーを含む急性期反応物質のピークとの間に時間的相関があることが分かりました。

検査可能であった患者では、発生源不明の塞栓性脳卒中はIL-6(median, 171 [interquartile range, 13–375] versus 8 [4–11], P<0.01)およびsIL-2受容体(1972 [1525–4720] versus 767 [563–1408.5], P=0.05)レベルの上昇と関連していました。

COVID-19の脳卒中患者は、非COVID-19の脳卒中対照群と比較して、内皮活性化マーカーのレベルが高いことが分かりました(von Willebrand活性:285.0% [interquartile range, 234%–382%] versus 150% [128%–183%], P=0.034、von Willebrand抗原:330.0% [265%–650%] versus 152% [130%–277%], P=0.007、第VIII因子:301% [289%–402%] versus 49% [26%–94%], P<0.001)。

以上から、COVID-19患者における虚血性脳卒中は、血管内皮細胞が感染により活性化し、凝固因子が放出され、血小板凝集と血栓形成が生じることによるものと考えられました。 (小児科 土谷)

 

 

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