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見附市小児科 2023年春開院 みつけこどもクリニック | 小児科一般診療・予防接種・乳児健診 見附市

小児の便秘② モビコールの有効性

先日、子どもの便秘と成長について紹介したついでに、子どもの便秘に使用しやすい薬剤について紹介します。今回はモビコール(PEG)についての論文(BMC Pediatr. 2014 Jun 19;14:153. doi: 10.1186/1471-2431-14-153.)です。

 

幼児の便秘治療におけるPEGとラクツロースの有効性と安全性を比較した論文です。

生後12~36ヶ月の幼児88人が登録され、ラクツロース(3.3g/日)またはPEG4000(8g/日)をそれぞれ4週間投与されるようにランダム化されたランダム化二重盲検試験です。

プライマリアウトカムは治療開始4週間後の排便回数で、セカンダリアウトカムは受診時の排便に関連した自覚症状とその頻度です。

 

開始時の時点で排便頻度は両群で同等でした。

平均排便回数は、ラクツロース群では0.7±0.5回/日から4週目の0.8±0.41回/日に、PEG群では0.50±0.55回/日から1.10±0.55回/日に増加しました。

セカンダリアウトカムに関連して、便の粘稠度や排便の容易さはPEG群でより改善していました(p=0.001)。有害事象の発生率は両群で同等で有り、その大部分が軽症でした。

 

以上から、PEG4000(商品名:モビコール)は幼児の慢性便秘の治療において、ラクツロースよりも優れた効果があり、忍容性も良好である。

 

発売されて以降、小児の便秘症の治療に使用する頻度が増えた薬剤がモビコールです。

2歳以降にしか現時点では使用できませんが、治療に対する反応性は良い印象です。 (小児科 土谷)

 

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